用語

VO2max 最大酸素摂取量

定義

VO2max — 最大酸素摂取量 — は、激しい運動中にアスリートが消費して利用できる最大の酸素取り込み速度です。体重 1 kg あたり 1 分あたりの酸素ミリリットル (ml/kg/min) で表されます。値は未訓練の成人で 30 前後、エリートのエンデュランス・アスリートで 80 以上に達します。

VO2max は持続可能な有酸素出力の上限を決めます。決定因は、心拍出量 (心臓が動かす血液量)、血液の酸素運搬能力 (ヘモグロビン濃度、血液量)、そして筋が酸素を抽出して使う能力 (ミトコンドリア密度、毛細血管網) です。遺伝が範囲を決め、練習がアスリートをその範囲内で動かします。

なぜランナーにとって重要か

VO2max は有用なベンチマークです — 大きな集団を横断するとエンデュランス・ポテンシャルと相応に相関します — が、単独ではレース結果の予測としては多くが期待するほど優秀ではありません。同じ VO2max を持つ 2 人のランナーは、AnT (VO2max のうち維持できる割合)、ランニング・エコノミー (特定ペースでの酸素コスト)、レース特異的な準備が異なれば、かなり違うレース・タイムを出しうるからです。

このため、VO2max を理解するコーチほど控えめに参照する傾向があります。VO2max は「天井の記述」であって「練習の処方」ではありません。実践的な問い — 「今日どのペースで走るべきか」「インターバルはどれくらいハードに感じるべきか」 — は、AeT、AnT、ペース目標が答えるもので、VO2max そのものが答えるものではありません。

Your Pacer は VO2max を文脈として使います — 合理的な推定値が得られる時 (ラボ、ウェアラブルの推論、VDOT 導出) — が、処方は測定された閾値と観察された練習信号に立脚し、天井の数字に立脚しません。

測り方

  • ラボテスト — ゴールドスタンダード。ガス交換分析付きの段階的運動 (トレッドミルまたは自転車)、随意的疲労まで実施。最も精確、最も費用がかかる。
  • サブマックス野外テスト — Cooper 12 分テストのようなプロトコルで、固定時間のパフォーマンスから VO2max を推定。再現性あり、近似値。
  • ウェアラブル推定 — Garmin、COROS、Polar、Apple などの現代の時計はサブマックス走への心拍応答から VO2max を推定する。トレンド追跡には有用、絶対精度はばらつく。
  • レース結果からの導出 — VDOT テーブル (Daniels) がレースタイムを暗黙の VO2max に変換する。シンプルで、驚くほど使える。

アスリートにとっては、絶対値よりトレンドが重要です。3 ヶ月で VO2max 推定値が 3 ポイント上がったことは、絶対数字に精度がなくても情報価値があります。

関連用語

  • VDOT — レース結果から導かれる VO2max プロキシ。
  • AnT — 長時間の努力で維持できる VO2max の割合。
  • 質の高いセッション — VO2max インターバルは、この天井を上げることを狙う質練の 1 カテゴリ。
  • 有酸素ベース — VO2max が実戦のパフォーマンスで表現される時に経由する基盤。

参考文献

  • Bassett & Howley, Limiting Factors for Maximum Oxygen Uptake and Determinants of Endurance Performance, Medicine & Science in Sports & Exercise (2000).
  • Joyner & Coyle, Endurance Exercise Performance: The Physiology of Champions, Journal of Physiology (2008).
  • Daniels, Daniels' Running Formula。VDOT テーブルを実践的な VO2max プロキシとして。